衆議院に小選挙区制を導入した際には、英国をモデルにしたのだろうけど、英国上院は貴族院で、引き伸ばし以外の権限は特に無い演説の府であり、実質一院制で日本とは異なる。
しかも下院の保守党、労働党の二大政党の得票率が7割であり、多党化と分権化された地方自治・議会が出現している。
帝国議会から戦後の米国流改革を経ても、日本の議会制度は英国流ウェストミンスター型というより欧州大陸型を基本に構成されている。これに小選挙区制を接木してしまったことはこんなはずではという立ち往生を出現させている。
少しの振れが大きな変化をもたらす小選挙型には有権者も、議会人も慣れてはいない。勝たせすぎや負けすぎの大雪崩現象と抑制の二院制の併存にうまく適応できないままである。
今、取りざたされる内閣を構成する連立の規模やありかたも実はドイツやオランダタイプの欧州大陸型で、連立までじっくり2、3ヶ月かけるコンセンサス重視なのである。
参議院の選挙結果が、衆議院の解散を引き起こす結論に直結するならば、一院制で十分だろうというのが最終の答えになってしまう。ほどほどはないのである。
不完全な制度いじりのもたらした困難という課題は、政治業界人や報道関係者だけが騒ぎ続ける違和感をクローズアップさせている。
総理辞任と野党党首の辞任劇、どちらにせよ、ひとまずは選挙結果よる「安定解」をつくってくれという、フツーの人の願いとは程遠いドラマをみせる。
おりあえない政党の立場は、トップリーダーの自壊という、まれなストーリー展開である。政党は組織としての機能回復力を示せても、次の蓋然性が高い結論が同じ状況での悪化である以上、「脱政党化」をはけ口とした、議会政治への不信が増幅されていくのである。 |