佐藤けんじ

佐藤けんじ 道南発、日本の未来。

佐藤けんじ
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No. 59 /2007/7/6
中間試験がやってきた

中間試験というのは道半ばでやってくる。いやでも立ち止まり、振り返りそして挑むことが求められる。現在の政権は衆議院での圧倒的議席数で次々に法案を通してきた。
一つ一つが大きな議論となるものであってもあっさりとに見える。長い議論の積み重ねがある仕掛品であることはあまり意識されない。むしろ、圧倒的多数は失言の横行と門前払いの冷たいイメージを残している。小手先の広報戦略は、議会運営との実態整合と危機管理力がなければ支持率につながらないことが明らかとなった。
安倍総理は孤軍奮闘にもみえる。生真面目さに背筋を伸ばして応えるべき閣僚の中に、責任感と力量が見えず、内閣への信頼を削いでいる。安倍さんだけの責任じゃないよね、と語る人が多いのも事実だけれど、年金記載不備は国民皆年金の制度を根底から揺るがしている。年金未納と記載不備は制度維持可能なレベルにもっていけるのだろうか。それとも民間の年金を含めて将来に備える選択手段の一つに格下げとなるのだろうか。
社会保険方式は自助、共助、公助で成立する。払えない、払わないは自助の破綻、確定支出型への転換は共助への揺らぎ、唯一のよりどこであった公助の組織への信頼が崩れてしまったのである。
確かに以前も選挙前に政治家の年金未納が一時期、週刊誌をにぎわした。なぜこうも個人情報が本人の了解もなくたれ流されるのか、この社会保険庁という楽園の役所は、自らのサボタージュも誰かに転嫁し、延命を図るわけわからない技をもつ難物であり、小泉総理は得意の民営化を答えとしたが、施策は実務重視の申請・届出主義という法制度の変更であったはずだ。安倍総理の土壇場でのリーダシップとお詫びが、届いたよ、と。あなたの誠実さを信じてみるよと、なるだろうか。
会期はもう延ばせない、小沢氏も退路を断った、賽は投げられたのである。

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