佐藤けんじ

佐藤けんじ 道南発、日本の未来。

佐藤けんじ
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No. 54 /2006/11/1
核保有を許してはならない

北朝鮮が六カ国協議への復帰に動き出した。米朝二国間の会談は、以前の米朝合意を無視して大量破壊兵器の製造を進めた事で米国は決して応じなかった。今回、米国が実質的に応じたのは、六カ国協議の議長国である中国が、北朝鮮への制裁をきっちり実施した事を評価したことと、ピンポイント攻撃はできても、全面的な軍事制裁を実施した場合の被害の大きさ、現状での米軍の展開余力を勘案している。また中国は潰され続けた面子にかけて、生殺与奪権を持っていることで、北朝鮮を脅しつけた。
米国の我慢と中国の恫喝、唯一二国間での協議というカタチに北朝鮮の面子を立てている。
六カ国協議に復帰しても米国は偽ドルを造り続ける国を許すわけがないが、北朝鮮は外交手段として、協議のボイコットと復帰を繰り返して見返り援助獲得を狙い、韓国には同一民族の情念に訴え、宥和政策を続けさせ、恒常的な援助を続けさせるようとする。密かに準備し、軍事緊張化のタイミングをつかまえては核実験の続行を図る。
核保有国家としての扱いを国際社会に認めさせる時がくることこそ、金体制存立のシナリオ。しかし中東の問題が片付き、米国が巨大な被害を被っても、北朝鮮に軍事制裁に踏み切る可能性は捨てきれない、その直前には中国は金体制を葬るだろうが。
ひるがえってである、日本はどうなるだろうか、極東の核のバランス構成は明らかに変わったのである。抑止の効かないなし崩しで、新たな核保有国家の敵意の方向に脅威を見出すのはどこの国であろうか。
どうみても、弾道ミサイルの射程、核爆弾の現状、どこが技術的な対象国であろうか、どうみても米国じゃない、韓国も違ってきている。中国は実質パトロン。ロシアは元パトロン。日本はなんとしても北朝鮮が核保有国家として存立することを防がねばならない、唯一、直接攻撃の対象、韓国でも米国でもない、今は日本である。

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