佐藤けんじ

佐藤けんじ 道南発、日本の未来。

佐藤けんじ
コラム
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No. 44 /2006/5/24
政治家になりたい

中学生が岩見沢からやってきた。
修学旅行も総合教育の一環をとりいれ、自分の将来の希望を自ら形作ることを育んでいくことを大切にしている。村上龍さんの13歳のハローワーク、玄田有史さんの希望学、若い人たちへの呼びかけは続いている。大切な予定を謝絶せざるを得なかったが、会っておくべきだと思った。彼は比較的寡黙だけど懸命であった、というより普通の大人でも敷居の高いところである、緊張したと思う。それでも何より、人と向き合う勇気と自分を写す鏡のような経験こそは世の中と向き合う大切さである。
私が言えるのはまず自分を創ることであった、郷土に育てられた自分が何をすべきであるかを、移ろう影絵のような事象や刺激的な情報の背後に為政の要諦となるべき何かを自分の中に作り続けていってほしい。
歴史の知恵、哲学の対話、プリオンを理解するためには生化学、温暖化の真偽を知るためには物理や地学、せめて高校の勉強までは判ってないと政治の課題の前に立ち往生するような時代、学んでおくことを勧めた。また今の自分でできる大切なことを、ごみ拾い続ける等生涯続けられる事を一人の人間として、だまってやってほしいと言った。
彼は小泉さんの政治にどこか割り切れないものをもっていた。いろいろ話した中で、一言「北海道人としては」と言った、岩見沢の人、日本人近代の市民(というよりコスモポリタン)、ポストモダンを語ったり、ブロガーであったりすると無名やペットネームにすらなる中で、彼は北海道人を基本にしていた。それでよいと思った。手許にあった留魂録と幾つかを渡して別れた。
いつの日にか彼が私の前に政治を為す者として現れてくれるかもしれない。
今、北海道150年、明治以来の開拓の歴史が真価を問われる時代になった。何よりも「一粒の麦」であり続けてほしい。

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