佐藤けんじ

佐藤けんじ 道南発、日本の未来。

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No. 37 /2005/9/27
諮問型レファレンダムは可能か

憲法改正案に対する国民投票制度が来るべき通常国会に上程される時が来ようとしている。まさに憲法が要求している国政の根幹にかかるレファレンダムの登場である。
選挙を経て、様々な地域の個別事情や人々が創り上げてきた入植や開墾にまでさかのぼる来歴を知ってしまった今では、憲法パトリオティズムの理念へのあまりの傾斜が私を遠ざけるものとなってしまっているけれど、いまだにひっかかっているのが郵政法案への賛否という法律案の諮問型レファレンダムともいうべき選挙のありようである。秘密投票によるイエス・ノーの二分法が覆い隠したなかに民営化計画全体の経済に与えるインパクトや法案が想定する簡保・郵貯事業のマネーフローへの将来的な影響など専門性の高い判断が要求されるものがあまりに多く含まれていたような気がしている。
どうあれ国会はこの結果に従わざるをえないと思うけれど。もっとも国の制度を熟知して公約を的確に比較判断すること自体、至難の業だけれど。間接民主制の補完としての法律案の諮問型レファレンダムは現行憲法で国会の唯一の立法機関を認め、代表者を通じての民主主義としているから、どうかなと思ったいたけど、「熟議の民主主義」志向者はやはりあまり好まないようですね。もっともこの熟議の民主主義自体私には空箱に思えるのですけれど。

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